看取りの朝に
重症心不全の患者さんが, 未明に自宅で息を引き取られた.
夜が明けてからでいいですよ, ゆっくりお越しくださいとお声掛けをいただいたが, ほどなく訪問し, 診察・最後の宣告を行った
医療業界に20年以上携わり, あらゆる世代のあらゆる疾患のあらゆる段階に日々触れている.
その中で, 心不全はこれまで入院管理が原則とされ, 最後の生活の場として自宅が想起されることは現在含めてまだ少ないと思われるが, 実際は画像評価や細やかな点滴管理まで含めてできることは増えている.(制度が追い付かず, 保険診療でカバーできずに医療機関が費用負担する部分が小さくない課題も残ってはいる)
ただそれらはテクニカルな側面に過ぎない.プロならできて当たり前のことであると思っている.
もっと大事なことは, 本人や家族の意向がどこにあるのか?それを主治医 (= *患者さんを定点観測し, 伴走している理解者という意味. 毎回, 日替わり弁当のようにバイト医師でつないでいる連中とは一線を画しておきたい) がいつも理解しているか?という点がより重要である.
「在宅緩和医療」という言葉のイメージは何とも重く暗いイメージがずっとあったが, そういう景色もひっくり返していきたいと思っている
限られた人生を懸命に, 大切に過ごしている患者さんに携わることで, 「普段と変わらない生活風景」がいかに幸せなことか,,,と痛感する日々である
小生は心臓疾患が専門の一つということもあり, 細やかに内服調整・持続点滴管理・プライマリケアや緩和領域で用いる鎮痛剤や非薬物療法・そしてAIテンプレのコピー&ペーストの転用などでは絶対ありえない, 患者さんやご家族と信頼関係を形成するコミュニケーションスキルを用いて, 最後の最後まで「普段と変わらない生活風景」のプロデュースを今後もしていきたい
ところで, 複雑症例において, 患者さんに提供する診療の質の担保には, 多職種の良質な連携が欠かせない.
現在まで, 小生が関わっている訪問看護ステーションの皆様やケアマネージャーさんはフットワーク・経験の厚み・パッションという部分で素敵な方々ばかりで, 大変助けられて現在に至っている. 皆様, この場を借りてお礼申し上げます. 今年もよろしくお願いいたします
